衛星劇場 あなたのテレビライフを豊かにする。邦画・洋画・韓流・歌舞伎などバラエティに富んだ上質エンターテインメントチャンネル

邦画・洋画・韓流・歌舞伎などバラエティに富んだ上質エンターテインメントチャンネル

機能リンク
  • 加入申し込み
  • 会員登録
  • 番組表

歌舞伎彩歌

『彦山権現誓助剱〜杉坂墓所・毛谷村』気は優しくて力持ち! 女が惚れる六助の魅力とは?

「彦山権現誓助剱〜杉坂墓所・毛谷村」気は優しくて力持ち! 女が惚れる六助の魅力とは?


「彦山権現誓助剱」は、タイトルの「助剱すけだち」でわかるように、敵討ちの話です。剣豪の父をだまし討ちにした京極内匠たくみ微塵弾正みじんだんじょうと名を変え潜伏)を追って、お園とお菊の姉妹は仇討の旅に出ます。その道中、妹のお菊は内匠に殺され、お伴の佐五平はお菊の息子・弥三松やさまつを連れて逃げます。そして「杉坂墓所」で山賊に襲われた佐五平は、居合わせた六助に弥三松を託し、息を引き取るのでした。
 この六助が「彦山権現ひこさんごんげん」の境内でお園たちの敵討ちに加勢、「助太刀」するのがお話のクライマックスですが、もっとも上演されるのは「毛谷村」の段。物語の流れを大切にする片岡仁左衛門は、前段である「杉坂墓所」を付けて上演し、六助の家になぜ弥三松がいるのかを観客にわからせた上で「毛谷村」に入っていきます。


みどころは、なんといっても六助の器量。愛嬌があって疑うことを知らない、しかしここぞというときはまなじりを決して全力で挑みかかる。「気は優しくて力持ち」は、女性が男性に求める一つの理想ですね。
もう一つのみどころが、虚無僧こむそう姿で斬り込んでくるお園の「豹変」。軒先に見覚えのある着物が下がっているのを発見、さては甥っ子が囚われの身だなと思って救出に乗り込みます。父親の手ほどきを受け腕に覚えのあるお園ですが、六助にはかないません。いきさつが明らかになり、男の名が「六助」と知れるとお園は、それまでの男勝りはどこ吹く風で、「女房じゃ、女房じゃ!」と、いそいそご飯の支度を始めるではありませんか!


いったいどういうこと??


六助はお園の父親が見込んで「お園の婿に」と決めた男だったのです。そうだとしても、あまりの変わりように観客も六助も呆気。でも、長女のお園はずっと家を背負って生きてきました。「お前が男だったら」と言われながら、跡は継げず、見たこともない人を許嫁いいなずけにされる。不安だったその人が、正義感あふれる優しい人で、その上自分より強いなんて! お園は生まれて初めて、頼れる人を見つけたのです。お園の人生で最高の瞬間!そんな「女房じゃ!」だと思って、温かい目で見てあげてください。