バンは最近タイ北部の町に越してきた医師で法医学者。ある日、後輩医師のオートと検視を行うため遺体発見現場を訪れたバン。そこでバンが見たのは、首を吊った状態で冷たくなっている友人ジェーンの姿だった。現場の状況からバンはジェーンが自殺に見せかけた他殺だと結論づけるが…。事件を調べるため、ジェーンの恋人で事件の第一発見者にして有力な容疑者であるテーンを探るバン。しかし、2人は事件が起きる前、バーで初めて出会った瞬間から互いに特別な何かを感じていたのであった。犯人を見つけ出すために協力を申し出るテーンに対し、バンはテーンが事件の犯人かもしれないという疑いをぬぐい切れずにいた。そんな思いとは裏腹に、事件の真相に近づけば近づくほど2人の関係は深くなっていく…。
バンとテーンは出会った瞬間から惹かれ合い、バンが“犯人”から身を守るためテーンの家で同居を始めると、その仲は急速に進展。バンはテーンに疑念を抱きつつ、「僕が守ります」「先生がいれば恋人はいらない」と執着されるほど、大切な存在だと自覚する。テーンもバンの手料理や世話されることを喜び、酔ったバンの色気に陥落。そんなふたりが交わす目線とボディタッチ、距離を縮めながらも一線引くようなテーンの妖しい微笑……危うい関係から目が離せない。
警部として事件関係者たちの動向に目を光らせ、鋭い洞察力と鍛えた肉体で冷静に捜査する。警察官と法医学者という関係ながら、バンをバーに誘ったり慰めたりする、フランクで優しい一面も。
バンから指導を受けている研修医として助手を務め、軽口もきける、バンのサポーターかつオアシス的存在。愛嬌もたっぷりで、パーティーでピンクのドレスを着て女性陣と踊らされるなど、看護師の年上女性たちから可愛がられている。
学生たちの恋愛ドラマ「Bad Romance」で共演して以降、濃いコンビネーション力を発揮している通称“MaxTul”。本作で共演は驚きの4作目。これまで以上に肉体美込みの大人のフェロモンを放出し、ダークでセクシーな芝居に挑んでいる。かと思えばピュアで甘い空気も創り出すなど、真逆の関係を行き来させて演じられるのは、ベストコンビのふたりならでは。
各々の立場で事件に関わる登場人物たち。バンは法医学者として、倫理観に基づき死の真実を知りたい。テーンは塾の講師でありながら、恋人のジェーンを殺害した容疑者という怪しい肩書きを持つ。警部のエムや新聞記者のパットが真相に迫ろうとする動機は、正義感なのか好奇心なのか。検事のプードは誰の味方なのか…。どう組み合わせても、スリルに満ちた関係ばかりだ。また、職業にちなんだバンとオートの白衣やスクラブ姿、エムの警官姿は見どころのひとつ。
本作のメガホンをとるのは、アジアで数々の賞に輝いた映画『ミウの歌〜Love of Siam〜』を手がけたチューキアット・サックウィーラクン監督。タイの風景を深い色味で映し、そこに繊細な心理描写を落とし込む表現力に定評がある。本作の舞台「ウィアン・パー・モーク」はタイ北部の田舎町という設定。。チェンマイで撮影され、バンとテーンが出会うバーや行きつけの市場など多くのスポットが登場するので、プチ旅行した気分に。何より広大な自然と町並みすべてを靄がかった映像美で見せ、町と住人のミステリアスな印象を増幅させている。
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タイ北部の町ウィアン・パー・モークに越してきたバンは医師で法医学者。かつての友人ジェーンと久しぶりの再会を喜び合う。そんなある日、エム警部に誘われ出かけたバーで泥酔したバンはそこで偶然出会ったテーンにキスをしてしまう。勤務先の病院長の誕生日パーティーで、バンは再びテーンを見かけるのだが…。
友人ジェーンの突然の死を自殺に見せかけた他殺ではないかと考えたバン。第一発見者でジェーンの恋人テーンを疑いエム警部にも調査を依頼する。自らもジェーンの病歴を調べる中、バンの元に突然謎の警告メールが送られてくる。テーンの塾に向かったバンは、直接テーンに探りを入れようとするが…。
警察がジェーンの死を自殺にしようとしていることを知ったバンはSNSに他殺をほのめかす投稿をする。そんな中、ジェーンの恋人がテーンではなくプードだと聞いたバン。真相を確かめるべくプードに連絡を取るが、ようやく繋がった電話に出たのはバンを襲った謎の男たっだ。バンはテーンが関係しているのではと疑い…。
テーンの家で同居生活をはじめたバン。たわいのない会話でお互いの距離が縮まる中、バンは偶然テーンが隠し持っていた拳銃を見つけてしまう。一方、SNSの投稿が話題となり警察は早急にジェーンの件を終結させようとする。バンは、警察の強硬な態度に一度は断ったパットのインタビューを受ける決心をし…。
テーンへの疑いが拭い去れないバンだったが、自分を守るという言葉に心が揺れる。そんな中、バンはテーンがタットと一緒にいる現場を目撃してしまいテーンを問い詰めるが…。一方、ソーンは日に日に様子がおかしくなるナームを心配する。学校を欠席したナームをタットと捜していたソーンは、意識不明のナームを発見する。
バンは、SDカードのデータを確認できず手がかりをつかもうとテーンとパットの家に忍び込む。しかし、ノートPCを持ち出す直前鉢合わせたエム警部に没収される。さらに、事情を聞き出す前にナームも謎の車の迎えで退院してしまう。一方、エム警部はノートPCに残された投稿前のとある記事を見つけ…。
ジェーンの身に起きたことを知り衝撃を受けたバンとテーン。さらなる情報を得るためにパットのノートPCを取り返そうと考える。そんな中、タットとテーンに疑念を抱きダムの存在も気になるバンはソーンからタットの身辺を聞き出す。一方、タット事件を調査していたエム警部は発着信履歴に気になる人物を見つけ…。
テーンは自分が“ダム”だと気づいたバンに問い詰められ、プードに頼まれてバンを脅したことを白状する。テーンがウソをついていたことを知りショックを受けるバン。一方、テーンもバンを傷つけ2人の関係が崩れてしまったことに苦悩する。そんな中、バンは病院からの帰り道、車のブレーキが効かず事故を起こしてしまう。
プード殺害の濡れ衣を着せられたテーンは警察に拘束されてしまう。状況証拠からも有力な容疑者と目されテーンの無実を訴えるバンは門前払いをくらう。さらにプードを殺したと信じて疑わないポーは、テーンに対して怒りを露わにする。そんな中、留置所で暴行されたテーンの姿にバンは何とか保釈させようとルンの元を訪ね…。