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Special Interview 坂東玉三郎 華やかな舞や鏡花の幻想的な世界を感性で楽しんでいただけたらうれしい

坂東玉三郎

舞伎界きっての人気女方、坂東玉三郎。古典から新歌舞伎まで幅広く活躍し、類いまれなる美しさと存在感で観客を魅了し続けてきた。1月は玉三郎の舞台を特集する。
 まずは梨園のホープ、尾上菊之助と踊った『京鹿子娘二人道成寺』から。長唄舞踊の最高峰『京鹿子娘道成寺』の二人版である『娘二人道成寺』に玉三郎が新たな解釈を加えた名舞台で、1人の女の情念を二人が息を合わせてあでやかに舞う。


「従来の『娘二人道成寺』は花子と桜子の二人が出てきて人格が変わりますけれど、この舞台では一人の白拍子花子を二人で演じることで、身体と心、あるいは華やかさと叶わぬ恋の恨みといった、相対するものを二重写しに表現しています。菊之助君が現実、僕が抽象を表す存在となって舞えば、二つ身であり一つ身でもある幻想的な世界が描けると思って創っていきました」


 近年は役者としてだけでなく演出家としての活躍にも注目が集まる。なかでも敬愛する泉鏡花作品への想いは深い。特集では自身が演出・主演し、好評を博してシネマ歌舞伎となった『天守物語』、『海神別荘』、『高野聖』の3作品を放映する。
 玉三郎が泉鏡花の世界に目覚めたのは子役になって2年目、10歳のときに観た『天守物語』だという。


「図書之助を父(十四世守田勘弥)、富姫を中村歌右衛門が歌舞伎座で演じた舞台で、幻想的な美しさが忘れられず、いつか手がけてみたい僕の夢になっていきました」


 その思いを胸に、20代から鏡花作品を演じ続け、その後演出にも積極的に取り組んできた


「鏡花先生の作品はどろどろとした話なのに、いずれも終わりは清々しく、白昼夢を見たかのようです。『天守物語』は最後に雲が晴れて、白い光に包まれる清涼感がありますし、『海神別荘』は海に捧げられた美女が海底で無垢な魂と出逢う。『高野聖』もそう。女の色気に迷って煩悩が沸き起こり、不気味な鳥や獣たちが女のもとに集う様子に恐れおののくも、一心に経文を唱えて心を静める僧の姿にどこか溌剌とした生気を感じます。もしかするとこの話は高野山で読経している僧の中に湧いた一瞬の煩悩が描き出した幻想だったのかもしれません」


 見方によっていろんな解釈ができるのも鏡花作品の醍醐味だろう。『高野聖』は舞台映像に短い実写を加えてシネマ歌舞伎を一段と深化させている。修行僧の宗朝がヘビやヒルの出る山道を抜けていくシーンは、舞台では得られない距離感やリアルさを感じられて秀逸だ。


「泉鏡花先生の作品は、美しい異界の者たちを通して、恋、 純粋な心、煩悩といった人間の本性が描かれています。すべて魂のお話なのです。でもご覧になるときは深く考えず、映像に身を委ねて、詩のような言葉や幻想的な空間美をお楽しみ頂ければ、鏡花ワールドの不思議な魅力を堪能して頂けると思います」


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