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Special Interview 「特選歌舞伎〜八代目芝翫襲名」

中村芝翫

村橋之助改め八代目中村芝翫の襲名披露公演が、歌舞伎座にて10月、11月と2ヶ月連続で華々しく幕を開けた。5年前に亡くなった七代目の父は、古風で端正な女方として知られた人間国宝。立ち役の芝翫は、幕末から明治にかけて活躍し、「大芝翫」と呼ばれた四代目以来、117年ぶりとなる。


「時代物の大役を得意とした四代目の大芝翫こそ、私の目標とするところです。『熊谷陣屋』の熊谷は近年では團十郎型が主流ですが、10月の襲名披露狂言では、四代目が演じた成駒屋の芝翫型で勤めさせていただきました」


 また、若き花形である3人の息子たちと親子4人揃っての襲名披露は歌舞伎界初の慶事だ。長男・国生が橋之助を継ぎ、次男・宗生が福之助、三男・宜生が歌之助をそれぞれ襲名。『祝勢揃壽連獅子』では、親子ならではの息の合った勇壮な毛振りで客席を沸かせた。


「亡き勘三郎の兄貴に、『襲名するときには連獅子をやれよ。うちは息子が2人だけど、お前のところは3人いるから4人親獅子ができるなんてすごいぞ』と言われたのが忘れられなくて。観てほしかったですね」


盛綱の男ぶりに幼い頃から憧れていた


 1月の衛星劇場では襲名披露の舞台から、『口上』と時代物の大作『盛綱陣屋』をお届けする。『盛綱陣屋』は大坂冬の陣を鎌倉期に時代を移して描いた『近江源氏先陣館』の八段目だ。佐々木盛綱が忠義と兄弟愛の板挟みで苦悩する心中を描く。この盛綱に芝翫が初役で挑んだ。敵を欺くため、偽の首を父だといって切腹した弟高綱の子小四郎の心に打たれた盛綱は、首実検で主君の時政を欺く証言をする。


「時代物の立ち役で本領を発揮したい私にとって、盛綱は絶対に演じたいお役でした。幼い頃からずっと憧れていて、小学生の時には母の行きつけの美容院からもらってきた発泡スチロールのマネキンの頭で、高綱の首実検の真似事をして遊んでいたほど思い入れが強くて。ようやく念願が叶って感無量です」


 大見得を切って自分の感情を露わにするのではなく、兄弟同士が心ならずも敵味方になった苦悩をすべて自分の腹におさめた盛綱の男ぶりに強く惹かれるという。


「動きの少ない腹芸で見せる芝居にもかかわらず、全身から盛綱の思いが滲み出て、人間の奥深いところを感じさせます。このぷんと薫るような男らしさこそが、八代目芝翫として進みたい方向でもあるのです。今後も佐々木盛綱と芝翫型の熊谷直実は回を重ねて精進していきたいと思っています」


 今回の襲名披露では、デザイナーの佐藤可士和氏による月替わりの祝い幕も見どころ。また、『口上』の襖絵は朝倉隆文画伯の作で、こちらも毎月変わるという。襖絵には新芝翫一家の名前がどこかに隠されているので、衛星劇場で『口上』をご覧いただく際は、4人の名前探しもぜひお楽しみいただきたい。



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