衛星劇場 あなたのテレビライフを豊かにする。邦画・洋画・韓流・歌舞伎などバラエティに富んだ上質エンターテインメントチャンネル

邦画・洋画・韓流・歌舞伎などバラエティに富んだ上質エンターテインメントチャンネル

機能リンク
  • 加入申し込み
  • 会員登録
  • 番組表

歌舞伎彩歌

ちょっと幕間「コクーン歌舞伎がめざすもの」

怪談牡丹燈籠今年6月、東京・渋谷のシアターコクーンで、コクーン歌舞伎15弾となる「四谷怪談」が上演されました。通常は主に現代劇の舞台として使われるシアターコクーンで歌舞伎をやろうと言い出したのは、十八世中村勘三郎(当時は中村勘九郎)。1994年、第一弾となった演目もまた、「東海道四谷怪談」でした。


勘三郎が目指したものの一つが、江戸の芝居小屋のような小規模な演劇空間。怪談噺として、人々を驚かせたり怖がらせたりする仕掛けがたくさんめぐらされた「東海道四谷怪談」には、うってつけの大きさとなりました。


もう一つ、彼が希求してやまなかったのが「ボーダーレス」です。今でこそ、歌舞伎の舞台に歌舞伎俳優以外の俳優が存在することはそれほど珍しいことではありませんが、当時は「果たして歌舞伎役者でないものに歌舞伎ができるのか?」という声もかなりありました。しかし初回から参加している笹野嵩史などは、勘三郎亡き後の今、若い座組にあってはもっとも歌舞伎を体現する役者とさえいえるコクーン歌舞伎の担い手となっています。


勘三郎の願望のうち「江戸の芝居小屋のような空間」は、やがて仮設の芝居小屋「平成中村座」の創設となって発展していきます。これにより、コクーン歌舞伎の使命は、より「現代との融合」に傾いていきます。2009年には「桜姫」を、歌舞伎バージョンと現代劇バージョンを続けて上演、今年の「四谷怪談」でも、スーツ姿のサラリーマンが江戸時代の浅草であるはずの舞台を闊歩するなど、実験的な演出を試みています。


音楽も、「下座音楽」と呼ばれる邦楽系の楽器ではなく、洋楽器による音楽がよく用いられ、殺人の瞬間にトランペットソロが鳴り響いた「天日坊」や、農作業の春夏秋冬をラップで歌い上げた「佐倉義民伝」など、意欲的な作品作りが続きました。


今回衛星劇場で放送される「東海道四谷怪談」は、2006年上演の舞台。お岩の生涯を中心に描いた「南番」と、お岩の妹お袖の物語にスポットライトを当てた「北番」の2バージョンのうち「南番」をお届けします。お岩を演じる勘三郎の、正統派の演技にご注目ください。