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歌舞伎彩歌

襲名と口上

五代目中村雀右衛門襲名披露 口上 今年は五代目中村雀右衛門の襲名披露が3月にあり、秋には三代目中村橋之助が八代目中村芝翫を襲名します。昨年は上方歌舞伎の大名跡・中村鴈治郎11年ぶりの復活もあり、ここのところ歌舞伎界は、ちょっとした襲名ラッシュですね。


歌舞伎役者は出世魚のように名前が変わります。市川團十郎家の直系であれば、市川新之助→市川海老蔵→市川團十郎の順番。松本幸四郎家では、松本金太郎→市川染五郎→松本幸四郎、と名字まで変わります。一門が大切にしているほかの名を継ぐ場合もあり、さまざまなケースが。お弟子さんも実力や貢献に応じ、歴史ある名前を襲うことがあります。


ただ、襲名するかどうかは自分で決められません。とりわけ「大名跡」と言われる由緒ある名前の場合、その名を名のるにふさわしいか厳しく問われます。父親が亡くなったからすぐに息子が継ぐというシステムではないのです。良い舞台を重ねるうちに機が熟し、誰ともなく「そろそろいいんじゃないか」と襲名が話題に上るようになるのを待たねばなりません。その点は、お相撲さんの世界に似ていると言えましょう。横綱不在の場所が続いても、大関が自動的に横綱に上がるわけではなく、実力と品格がなければ「横綱審議委員会」が首を縦に振ってくれませんよね。


とはいえ、直系の息子は生まれた瞬間から、父の名を継ぐことを求められて育ちます。いつかは大俳優に、と常に期待されるプレッシャーはいかばかりでしょう。今月2歳で初お目見え(役名がつかないで舞台上に初めて上がること)の尾上和史くんは、父方の祖父が尾上菊五郎、母方の祖父は中村吉右衛門。両祖父とも人間国宝という運命の大きさに負けずにすくすく育ち、そしてやっぱり、末は立派な役者になってもらいたいですね。


襲名披露公演の「口上」は、襲名を寿ぐとともに先代への敬意を表し、名によって記憶される芸の歴史を歌舞伎界全体で後世につなぐことを誓う場でもあります。裃姿の役者がずらっと並び、順々に神妙な挨拶をしていく光景はまことに晴れがましく、江戸時代から続く儀式と思うと、観客の私たちも歴史の1ページの一部になったようです。