作品詳細
河竹黙阿弥の『八幡祭小望月賑』を池田大伍が近代的な視点で書き換えた新歌舞伎の名作
純朴で一途な商人縮屋新助が想いを寄せるのは、深川きっての芸者美代吉。旗本の藤岡慶十郎という旦那がいるにもかかわらず、遊び人の船頭三次を情夫に持つ。借金を抱えて常に金の工面に追われており、祭仕度に新調した衣装代の用意もできず悩んでいる。そこで美代吉はお酒を飲んだときに思いつきで新助に一緒に暮らそうなど思わせぶりな言葉を言ってしまう。真に受けた新助は故郷の家や田畑を売り百両を工面してくるが、藤岡から手切れの百両が届いた美代吉は、もはや新助に用はなく手のひらを返したようにつれない態度をとるのだった。だまされ錯乱状態の新助は深川八幡の祭礼の夜に…。
(1999年/平成11年9月・歌舞伎座)
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