真景累ヶ淵 豊志賀の死

作品詳細

年増女の嫉妬心が年下の愛人を恐怖のどん底に突き落とす、近代怪談劇の傑作。

江戸は根津の七軒町で富本節の師匠をしている豊志賀は、自分より二十歳も若い内弟子の新吉と深い仲。それが噂となり、お座敷の声はかからないし弟子の数も減る一方。その上、同じ弟子の羽生屋の娘お久と新吉の仲を疑い、嫉妬に狂ううちに顔に腫れ物ができて病の床に着いてしまう。献身的な新吉の看病もむなしく、豊志賀は醜い顔で二人の仲を責め立てるばかり。思い余った新吉は、お久と二人で駆け落ちをする決心をする。しかし、誰もいない部屋で一人無惨な死をとげた豊志賀は、それを許さず亡霊となって新吉を苦しめる。

(2002年/平成14年8月・歌舞伎座)

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