1930年代の上海、会計学校に通っていたウェイ・ルオライ(ワン・イーボー)は、共産党の本拠地である江西省出身という理由で卒業証書がなかなか授与されず、様々なアルバイトをしながら生計を立てていた。上海に残る最後のチャンスである国民党の中央銀行の採用試験で能力や判断力を高く評価されるが、またしても江西省出身という理由で採用が見送りに。しかしウェイ・ルオライは中央銀行の上級顧問であるシェン・トゥーナン(ワン・ヤン)の目に留まることに成功、彼の助手となる。そこでウェイ・ルオライは金融業界の腐敗と闇を目の当たりにする。迷いと苦悩の中、シェン・トゥーナンの妹であり共産党員であるシェン・ジンジェン(リー・チン)と出会い、ウェイ・ルオライは自らの信念と行動を見つめ直す決断を迫られていく…。

・[NEW]2025/2/3 2025年2月アンコール放送スタート!
・2024/11/8 「追風者~金融界の夜明けへ~」第1話終了後に、メイキング映像を放送!〔11月10日(日)午後10:00~、11月16日(土)午前6:00~〕
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・2024/11/8 「追風者~金融界の夜明けへ~」特設ページ公開!
再生回数23億回突破。スリリングな展開と豪華キャストの白熱の演技が魅力の見応え200%の注目作。2024年3月に中国で放送&配信された本作は同月の熱度ランキングにおいて現代ドラマTOPの好成績を記録!再生回数は23億回を突破し(※)、現在でもその記録を更新し続けている。「陳情令」ワン・イーボー、「慶余年~麒麟児、現る~」リー・チン、ワン・ヤンといった豪華キャストたちの存在感のみならず、スリリングな展開に魅了される注目ドラマ。(※映画・ドラマのデータベース「猫眼専業版」より2024/8/1時点)
麗しくも近づきがたいクールで優雅な御曹司--『陳情令』や『風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~』などでそんなイメージのあるワン・イーボーにとって大きな挑戦となった本作の役・魏若来は、カネもコネもない、あるのは驚異的な計算力と記憶力だけという、優しくて真面目で気弱な地方出身の青年だ。1930年代の上海、混乱に満ちた時代と場所で、子うさぎのように弱々しかった青年が、政治と経済の戦いの中で謀略と暴力にさらされながら鍛えられ、国を動かす金融家となっていく姿をイーボーが体当たりで演じている。国民党が強い上海で、対立する共産党の根拠地・江西省出身というだけで、不当に差別され能力を認めてもらえない悔しさをこらえる悲しげなまなざし、謀略に巻き込まれ、驚きと恐怖で息も絶え絶えになる姿、師となる沈図南に認められ、ほっとした時の笑顔、自分の暮らす貧民街の住人たちとすごす時の飾らない青年ぶりなどを見ると、はげましたい!応援したい!ご飯を食べさせてあげたい!!(若来は貧しく忙しいので欠食気味)気持ちになるはず。そんな彼が文字通り、血と泥にまみれ、いくつもの修羅場をくぐりぬけ、するどいまなざしのたくましい若手金融家に覚醒する瞬間は必見だ。
本作において、カリスマ性を発揮するのが沈家の兄妹、沈図南と沈近真。テーラーが仕立てたオーダーメイドのしゃれたスーツやワンピーに身を包み、ドイツ留学もしているエリート富裕層で、兄の図南は国民党の中央銀行の上級顧問、妹の近真は軍需工場で兵器の開発をするエンジニアだ。しかし近真は裏では兄のもつ情報を盗み、捕まった仲間を逃すためには狙撃手にもなる、共産党・地下組織のメンバーとして暗躍していた。国民党と共産党として対立するものの、兄妹はともに国と民を思う高い志、強い意志と行動力、クールな判断力をあわせもち、若来と深くかかわっていく。図南の理念や志に共鳴した若来が、図南を謀略から守るためには命すら惜しまず、そんな若来に図南がほだされて二人の思いがつながる場面には胸が熱くなる。一方、近真もさまざまな縁で若来と親しくなっていくが、兄の図南すら黙らせる勝気でアグレッシブな近真に若来はタジタジ。それでも二人で大晦日の花火を見ながら願ったことが、「戦乱がなくなりますように」という同じ思いだったと知り、笑顔をかわすシーンには心が温まる。図南を演じるのは、演技派のイケオジ俳優、ワン・ヤン。そして近真を中国時代劇ファンにはおなじみのリー・チンが演じている。
若来、図南、近真をとりまく重要人物3役をご紹介。1人目は、表の顔は衣料品店のテイラー、裏の顔は共産党・地下組織のリーダー的存在で、近真と共に任務を行う徐諾。愛想のいいテイラーの顔と、裏社会のボスのようなすごみ、そして意外にも料理上手というかわいげもあり、ダンディなイケおじいさん好きにはたまらない!演じているのは「大明皇妃 -Empress of the Ming-」のワン・シュエチーだ。2人目は、図南の秘書の黄従匀。非常に優秀、かつ忠実な部下で、図南への敬愛(偏愛?)は相当のもの。図南に引き立てられる若来にわかりやすく嫉妬し、意地悪をするのもご愛敬。北京電影学院出身のソン・シュアイが演じている。そして3人目が、かなりかわいそうな立場ながら共感しづらい悪役、警備司令部の捜査隊隊長・林樵松。共産党員(もしくは疑わしい者)をつかまえては拷問し、証拠の隠滅やねつ造も平気で行う悪徳捜査官だが、近真に騙され、上の圧力に翻弄され、捜査に失敗しては厳しい罰を受けることも。「星漢燦爛」のチャン・ティエンヤンが憎々しげに演じている。
本作の舞台となる1930年代の上海といえば、「君、花海棠の紅にあらず」や「紳士探偵L 魔都・上海の事件録」などでも描かれたように、東洋と西洋のいりまじったノスタルジックで華やかな街の様子が印象的で、建築物や人々の服装もドラマの見どころの一つだ。本作で印象に残るのは、図南や若来が務める中央銀行の瀟洒な西洋式の石造りの建物や、路面電車が走る道路、若来が暮らす狭くて汚いが活気に満ちた七宝街など。これらは主に上海郊外にある撮影所・上海影視楽园(上海フィルムパーク/見学可)で撮影されたとのこと。美術指導の呉嘉葵は本作で上海電視節白玉蘭賞にノミネートされた。また、図南や近真、若来たちのトラディショナルな洋装、図南の妻・蘇辞書が着るあでやかなチャイナドレス、徐諾が裏の仕事の時に着こなす長袍など、衣装も見ごたえあり。
1912年に革命家の孫文により中華民国が成立。清朝は滅亡したが、その後の1930年代の中国では蒋介石の国民党、毛沢東の共産党、軍閥(地方で力をもつ軍人の派閥)、中国を狙う外国勢力や彼らと結託する者などが争い、国は混乱の中にあった。国民党と共産党は、国を強くし、民を富ませたいという同じ目的がありながら、そのためには自分たちこそが政治と経済を掌握する必要があると互いをつぶすために戦い、そのどちらでもない庶民も巻き込まれていた。このドラマでは国民党=図南、共産党=近真、庶民=若来と考えるとわかりやすいが、高い志をもつ図南・近真兄妹と巻き込まれる若来たち庶民の経済格差を見ると、複雑な心境にもなる。図南と若来にはそれぞれモデルとなった実在した金融家がいるといわれているが、もう一人、電話で図南に指示を出す国民党の幹部の宋という男性、宋子文という政治家・実業家がモデルだといわれている。彼こそが映画「宋家の三姉妹」の宋靄齢、慶齢、美齢の兄弟だ。
魏若来(ウェイ・ルオライ)は生計のため、裏社会の銭少良(チェン・シャオリャン)から危険な仕事を請け負っていた。ある日、住み込み先の家主である周(ジョウ)に頼まれ株のアドバイスをするが、沈図南(シェン・トゥーナン)の策により大損を被る。一方、共産党地下組織に所属する沈近真(シェン・ジンジェン)は同志を救出すべく護送車を襲撃、しかし林樵松(リン・チャオソン)らの待ち伏せに遭い失敗する。その際に魏若来は逃走する沈近真を偶然助けることに。
沈図南が用意した中央銀行の“特別な試験”に魏若来は合格するが、出身地や兄の身分から共産党との繋がりを疑われ、見送りにされてしまう。“近隣の老人”の助言を受けた魏若来は、沈図南に彼の計画を見抜いたことを伝える。一方、沈近真は共産党を裏切った顧倫(グー・ルン)の暗殺任務を引き受ける。
沈図南に能力を評価された魏若来は助手として採用され、中央銀行への出入りが許可される。沈図南は民間の通商銀行の買収に動き出し、通商銀行のトップである張鳴泉(ジャン・ミンチュエン)と、江浙商会の会長である虞世清(ユー・シーチン)に揺さぶりをかける。沈近真は共産党を裏切った顧倫を暗殺し、顧倫に裏切られた李晟達(リー・シェンダー)は林樵松に拷問を受ける。
李晟達は共産党を裏切り、金塊の引き渡し任務を担う“孤星”の情報を林樵松に売る。“孤星”との接触を試みた沈近真は異変に気付き、“孤星”を逃がしたことで林樵松の部下に疑われる。逃走中に負傷した“孤星”は、弟の魏若来に金塊の引き渡しを託す。
中央銀行に買収された張鳴泉は財産の持ち逃げを試みる。しかし魏若来が阻止し、沈図南はその勇気を高く評価する。魏若来は兄の遺志に従い暗号を発信し続けていた。ある日、林樵松は李晟達の助言を受けてその暗号を解読する。沈近真は、兄や林樵松から情報を探り、金塊を引き取るため中央銀行へ向かう。
沈近真は魏若来と中央銀行で接触するが、捜査隊に気づき偶然を装う。林樵松は、再び捜査現場に現れた沈近真を疑う。李晟達は魏若来が“孤星”の弟であることを突き止めるが、林樵松は魏若来を泳がせておくことにする。一方、“近隣の老人”だと思っていた人物は実は銀行界の大御所だった。沈図南は買収した通商銀行の頭取を老人へ頼みに訪れる。
各方面がそれぞれ魏若来を調査する中、沈近真の上司・徐諾(シュー・ヌオ)は魏若来が“孤星”の弟であることを突き止める。李晟達は魏若来を騙し、兄から受け取ったものについて情報を得るが、林樵松には真相を伝えず、金塊を持ち逃げしようと企んでいた。李晟達の異変に気付いた魏若来は、文(ウェン)に相談する。
徐諾は魏若来に協力を頼み、李晟達に金塊を引き出させるよう仕向け、その後銃撃し金塊を取り戻す。李晟達の持ち逃げに気づいた林樵松は魏若来を調査するが、魏若来は事前に巧妙な手口で“通報”と“自首”を行い、共産党との内通を否定する。関税保管権を奪還すべく外資銀行との戦いを決意した沈図南は、家族に危険が及ぶことを懸念していた。
関税保管権の奪還は、外資銀行と利益関係を持つ張鳴泉や虞世清をも敵に回すこととなる。一方、虞夫人は沈図南の妻・蘇辞書(スー・ツーシュー)に映画の主演を依頼する。血が流れること予感した魏若来は、クラブで林樵松の恋人・宋美娟(ソン・メイジュエン)にちょっかいを出していた張鳴泉を襲撃し、銃と懐中時計を奪う。その後、偶然通りがかった斧頭幇の銭少良に会う。
張鳴泉は軍法処処長である康少捷(カン・シャオジエ)を通じて、林樵松に強盗事件の調査を指示する。虞世清と張鳴泉は沈図南の暗殺を企て、発起人である彼の不在を理由に関税保管権回復の投票実施を阻止しようとする。しかし魏若来が代理で関税保管権回復を呼びかけ、沈図南も傷を負いながら会場に到着する。
沈図南は沈近真と魏若来の輸血で一命をとりとめる。一方、林樵松は沈図南の“苦肉の策” に気づく。虞世清は康少捷に“大姐”を紹介し、アヘンの商売を斡旋する。康少捷はお礼として、虞世清と張鳴泉の暗殺関与が露呈しないよう口封じをし、その責任を林樵松になすりつける。
興夏銀行接収に魏若来は苦戦していたが、沈図南が“切り札”を投じて興夏を倒す。この“切り札”は、兄から得た情報を徐諾に逐一報告していた沈近真が、匿名で郵送したものであった。その後、沈図南は魏若来に服を新調させるため服飾店に連れてゆく。魏若来は採寸している徐諾が、背後から金塊奪還の協力を強要した人物だと勘づく。
魏若来が張鳴泉を襲撃した後、捨てられた懐中時計を拾った物乞いが、それを売ろうとしたところ林樵松に捕まる。物乞いは魏若来の顔は見ていなかったが、斧頭幇の銭少良に挨拶をしていたことを伝える。銭少良から聞き出し、魏若来の犯行と知った林樵松は、沈家で新年を祝っていた魏若来を逮捕し、奪った銃で李晟達を撃ったと供述させるため拷問にかける。
虞世清は康少捷に、魏若来の共産党との内通容疑を上司である沈図南や中央銀行全体に広め、強制捜査を実施させ、通商・興夏の接収や関税改革を覆そうとしたが証拠は出なかった。あらゆる拷問を受けた魏若来も、銃の強奪は認めたが李晟達の銃撃については認めなかった。魏若来を巻き込んでしまった徐諾と沈近真は、彼の救出をはかる。
李晟達の銃撃容疑を明らかにするため、蒋介石副官室の明達(ミン・ダー)監視のもと、合同調査が始まる。捜査隊の林樵松らは銃弾をすり替え、魏若来が撃った証拠を捏造する。しかし、沈近真ら銃器専門家チームは証拠の捏造を見破り、魏若来の無実を証明する。一方、魏若来は株に人生を壊された姜虎豪(ジャン・フーハオ)一味と監獄で出会い、彼らに上昇銘柄を教え、打ち解ける。
釈放された魏若来は、報道によって七宝街や職場で敬遠されるが、家主の周は彼を温かく迎え入れる。沈図南も彼を辞職させようとする周囲の圧力を跳ね返し、魏若来と師弟の契りを交わす。一方、沈近真に任務を邪魔された林樵松は、彼女への疑いをさらに深め、多くの証拠を握ったまま意識が戻らない李晟達の手術を急がせる。
沈図南から中央銀行のドイツの取引先情報を得た沈近真は、徐諾を通じて共産党の根拠地に報告する。すると、R社の担当者ハンスとの接触を図るため、根拠地から上海に雷鳴(レイ・ミン)が派遣される。軍需関連の取引先を失いたくない国民党は、沈図南にハンスと交渉させ、康少捷は交渉に現れる共産党員の逮捕を計画する。しかし、沈近真が林樵松を出し抜き、雷鳴はハンスとの面会を果たす。
車引きをやっていた姜虎豪一味は無事出所する。魏若来と再会した姜虎豪一味はストライキに参加し警察と衝突する。魚児(ユーアル)の付き添いで病院にいた沈近真は、意識を取り戻した李晟達を見かけ、彼の暗殺を試みるが失敗し、出張を口実に蘇州へ向かう。捜査隊から李晟達の情報を耳にした魏若来は、彼が滞在するホテルへ向かう。
沈近真に暗殺されかけたと李晟達が供述したことにより、沈近真は蘇州へ向かう駅で拘束される。魏若来の機転により、李晟達は見張りたちを射殺し、逃走する。沈家を家宅捜索した林樵松も証拠を得ることができなかった。証人である李晟達を失った上に物証も得られなかった康少捷は、軍需企業の幹部を中傷した共産党の共犯者だと沈図南に迫られる。
康少捷は沈図南の圧力に屈し、沈近真を釈放する。病院での李晟達暗殺未遂の現場で、沈近真のシャンプーの香りをかいだ林樵松は、彼女が共産党員だと確信する。魏若来も彼女が共産党員だと確信していたが、誰にも言わないと約束する。徐諾は金融面に長けた人材として、魏若来を共産党に引き込むよう沈近真に指示する。
共産党が銀行を設立し、沈図南は金融の戦いを制するよう中央銀行のメンバーに呼びかける。林樵松は、宋美娟を人質に康少捷から脅され、違法なアヘン取引を引き受けることに。魏若来の前には、婚約解消したはずの牛春苗(ニウ・チュンミャオ)が突然現れ、止むを得ず彼女を自宅に泊まらせる。翌日、牛春苗は車引きの文と共に商売を始める。
上海で偽造銀貨が出回り、央銀・警察・軍法処の3者による合同捜査が進められることに。捜査資料を護送中の魏若来たちが襲撃され、資料が焼失してしまう。沈図南は、唯一護送ルートを知っていた警察による自作自演だと見抜く。その後、沈図南らは拠点が閘北エリアにあると絞り込むが、密かに警察と繋がっていた林樵松が先回りし、アジトをすでに摘発していた。
魏若来が摘発された拠点が偽物であると見抜いたことにより、沈図南は真のアジトを見つけ出す。牛春苗や姜虎豪ら車引きも応援に駆けつけ捜査に向かうが、偽造銀貨で利益を得ていた捜査隊と警察に包囲され、襲撃を受ける。窮地に陥った魏若来らは沈近真の援護射撃によって危機を乗り越える。しかし南京の国民党中央政府は“大姐”の圧力に屈し、悪行を黙認する。林樵松や車引きたちに責任を転嫁し、事件を収束させる。
沈図南と魏若来は中央政府のやり方に不満を抱きつつも、妥協せざるを得なかった。沈近真は魏若来に銃の扱い方を教え、共産党なら世の中を変えられると理想を語る。一方、中央政府は日本軍との戦闘を避け続けていた。魏若来が住む七宝街も日本軍に襲撃され、火の海に包まれてしまう。
姜虎豪ら車引きたちは、上海で日本軍と戦う十九路軍に命がけで物資を届け、魏若来も自ら参加する。物資を運んでいる最中、魏若来は危機に陥るが、決死隊員となった林樵松らに命を救われる。日本軍が撤退すると、沈図南は建設国債を発行し、彼自身や魏若来もそれを購入する。中央銀行をはじめ、各銀行にも購入を呼びかけるが、虞世清はその裏で罠を仕掛ける。
好調だった建設国債は空売りにより暴落する。沈図南は黒幕を調査しようとするが、国民党政府から禁じられる。偽造銀貨事件に続き、今回も南京主導であることを察した魏若来は絶望し、中央銀行を辞職することに。各銀行と民衆は大損を被り、中央銀行の信用は失墜する。魏若来の親友である文にも借金だけが残り…