実いまだ青し

作品詳細

中村八朗原作の『遠いこだま』を映画化。多感な青春の姿を一人の高校生の悩みや憧れを中心にして詩情豊かに描く、青春抒情篇。

山国の小都市にある北山高校では、近くある対抗野球大会で持ちきりである。だが三年の花巻竜司だけは、憂うつそうだった。竜司の家は伝統あるお寺で、父の玄城が病気で寝ているため、竜司が父の代理をしていた。家族は母と、婚期のおくれた姉の五人。竜司の悩みは、来年卒業して東京の大学に進学出来そうもないことだった。ある日の放課後、竜司は応援部のボス桐村たちに、竜司が学校新聞に書いた記事のことで殴られた。それを知った親友の小淵沢達也がかけつけ、竜司を助けた。竜司の気持を聞いた達也は、自分は芸者の子で父もなく、大学を出て就職するよりも自分の家の調理場を手伝い、将来は町一番の料理屋にしてみせると言い…。

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