天城越え

作品詳細

天城峠で出会った裸足で旅をする娼婦にほのかな憧れを寄せた14歳の少年。彼女を汚した男に殺意を抱いた少年は、やがて不条理ともいえる殺人事件を引き起こす…。松本清張の同名小説を監督テビューの三村晴彦が撮りあげた名編。妖しく美しい娼婦を田中裕子が好演している。

静岡で印刷屋を営む小野寺のもとに、田島と名乗る老人が、県警の嘱託で「天城山殺人事件」という刑事調書の印刷を依頼しに来た。原稿を見て激しく衝撃を受けた小野寺は14歳の頃を思い浮かべる。小野寺は14歳のとき、母の情事を目撃し、それまで彼にとって、神であり恋人であり、亡き父を裏切った母が許せず、静岡にいる兄を訪ねて一人で天城越えの旅に出た。少年は素足で旅する若い娘ハナと出会い、並んで歩いた。少年は美しいハナに母の面影を感じる。ところが、道中、ハナは一人の土工に出会うと、無理矢理に少年と別れ、男と歩きだした。気になった少年が後を追うと、草むらの中で情交を重ねる二人を目撃する。その土工が殺され…。

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