夕顔棚

作品詳細

ここは田舎の茅葺の百姓家。旧盆の夕暮れ、軒先には美しい夕顔の花が咲いています。夕顔棚の下では、湯上がりの夕涼みを楽しむ爺(左團次)と風呂から上がってきた婆(菊五郎)。二人で酒を酌み交わしていると、そこへ盆踊りの唄が聞こえてきます。この数年、世の中が落ち着かず盆踊りが催されるのは久しぶりのこと。その唄に耳を傾けるうちに、二人は若い頃を思い出し踊り始めるのでした。そこへ揃いの浴衣を着て河原へ向かう里の男(巳之助)と里の女(米吉)が現れ、村人たちと一緒に盆踊りに行こうと二人を誘いに来るのでした。

夕涼みを楽しむ仲睦まじい老夫婦を情感豊かに描いた初夏にぴったりの清元の舞踊です。

(2021年/令和3年6月・歌舞伎座)

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