台北でバーを経営するダミアンの夢は「家庭を持ち子供を育てること」。ダミアン(メルビン・シア)は恋人でユーチューバーのジェリー(マイク・リン)と2年間つきあった後、代理母出産により無事に息子のカイ(林凱奕)が誕生する。ダミアンとジェリーはカイを幼稚園に入れると、他の家庭との違いや母親がいない理由などについて、カイから答えづらい質問をされることになる。また、ゲイであることをカミングアウトできていないジェリーは、親との向き合い方に悩んでいた。
LGBTQ+コンテンツに特化した台湾発の動画制作・配信サービスGagaOOLala社が手がけた本作は、台湾の文化庁も制作を支援し、2021年4月に台湾での配信がスタート。アジアで初めてゲイカップルの子育てを描いたドラマシリーズとして話題になり、すでにシーズン2の制作も決定している。シーズン1となる本作では、子育てと自身のキャリアに悩む“パパ”のジェリーと、バーを経営しながら最愛の夫と息子を支える“ダディ”のダミアン、ふたりの出会いから現在に至るまでに軌跡、そして親として奮闘する日常にフォーカス。ほっこりあたたかく、ときに切なくほろ苦い、ハートフルなファミリードラマとなっている。
養子を迎えてから子育てに専念してきたジェリーは、息子のカイが幼稚園に通うことで動画クリエイターとしてのキャリアを再開。仕事ができる喜びをかみしめる一方、周囲の家庭との違いに疑問を抱くようになった息子の様子や、ほかの保護者から向けられる視線に悩むようになる。さらにジェリーは、自分のセクシュアリティを家族や同僚にオープンにしているダミアンとは対照的に、夫や息子の存在を故郷の両親に隠したまま独身を装って生活していた。しかしその秘密もだんだん取り繕うのが難しくなってきて……。息子をとりまく環境や親との関係など、壁にぶつかりながらも、互いを尊重し愛し合うジェリーとダミアン。その甘いやりとりに心溶かされ、自分たちらしく幸せのカタチを模索していく姿に胸を打たれる。