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Special Interview 青柳翔 時代や世代を越えて心に刺さる素晴らしいセリフたちと太宰を取り巻く3人の美しい関係性を感じてください

青柳翔

上ひさしさんが太宰治をモチーフに描いた評伝劇『人間合格』。1989年の初演以来、多くのファンの心をつかんだ本作で、青柳さんは主人公・津島修治(太宰治)を演じました。役者として一度は太宰治を演じてみたかったそうですが、出演する前と本番を終えた今では、太宰に対する印象に変化はありましたか?


「すごく勝手なイメージなんですが、最初は少し陰気で、ヒステリックで、自己否定ばかりしている人物という印象を持っていました(苦笑)。でも、この作品の中の津島は決してそうではないんです。史実にあるような、何度か女性と心中をしていたという様子を感じさせず、希望が持てる人物。特に、仲間である佐藤浩蔵(塚原大助)や山田定一(伊達暁)と出会い、彼らと親友としての関係を築いていくことで、人間くさい明るさも感じられて。実際の舞台でも素晴らしい共演者の皆さんの力に助けられたこともあり、イメージしていた以上の太宰を演じられたように思います」


今作では、津島が学生時代に佐藤や山田と出会い、戦前・戦中・戦後という激動の中で、彼らが抱く国や政治に対するそれぞれの思想の変化や生き方の違いなどが描かれていきます。青柳さんには、津島にとっての2人の仲間はどのような存在に写りましたか?


「やはり、なくてはならない存在ですよね。言い方を変えれば、津島ひとりだけだと太宰治じゃないような、3人でそろうことで太宰治になれるという印象が強かったです。例えば、津島は仲間たちに対して、ときには責めた言葉を投げつけるんです。でも、決して彼らの生き方を否定しない。それどころか、言葉の裏には“結局、自分が一番何もできていないんだ”という自己批判が込められているような感じがして。だからこそ、写し鏡じゃないですけど、2人がいないと彼は太宰治になれないし、そうした3人の関係性の描かれた方というのはすごく印象的でしたね」


また、青柳さんにとって井上ひさしさん脚本の舞台に出演するのは待望だったそうですが、井上さんの戯曲のどんなところに魅力を感じましたか?


「この作品は12年前に書かれたもので、当時から演出を手掛けていらっしゃる鵜山(仁)さんから、この戯曲が生まれた背景などをうかがいました。でも、読んでいくと、現代に通ずるところがたくさんあることに気付かされるんです。今の時代、何かしら問題を起こした人が現れると、みんながそれに乗っかって一斉に叩いたりする。津島の言動にもシンクロする部分があって、本当に“今の世の中の状況を見て書いているんじゃないかな?”と思ったぐらいです(笑)。それに、ラスト近くの金木の楽屋で津島が怒るシーンでは、役としてだけでなく、僕自身にもセリフがグサグサと刺さってきて、多くのことを考えさせられました。時代を越えて、これほど届くものがあるんだと強く思いましたし、それを演じられたことも役者としてすごくいい経験になったなと感じています」


最後に、放送をご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。


「この作品は太宰治を主人公にした物語ですが、僕は津島、佐藤、山田の3人の関係性が最後まで美しく見えたらなという思いで演じました。僕は戦前や戦中を経験したわけではありませんし、青春時代に太宰治の作品にどっぷりとはまったということもありません。でもそうした、まるで世代が違う僕でさえも、彼らの関係性を羨ましく、素敵に感じました。これって本当にすごいことで、普遍的な人間の美しさを描いているからこそ、何年経っても多くの方に支持されるんだと思います。今は気軽に劇場に足を運べない状況で、残念ながら公演を観に来られなかった方もたくさんいらっしゃると思います。でも今回、放送という機会をいただけましたので、ぜひご家庭で、この素晴らしい作品をご覧いただければと思います」



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