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Special Interview 井上芳雄 想像力次第で、どんどんイメージが広がっていく不思議な作品、ぜひ僕と一緒に宮沢賢治の魅力的な世界を旅してください。

井上芳雄

の度、スタジオで収録した朗読劇『銀河鉄道の夜』が放送されます。舞台中継とも、オンライン配信とも異なる表現の形ですが、最初にこの企画を聞いた時はどのような印象を持ちましたか?


「上演台本・演出を手掛けた笹部博司さんとは、これまでにも『夜と霧』や『星の王子さま』のひとり朗読劇を一緒に作ってきました。ただ、今回はほぼ一発撮りの収録でしたし、照明やちょっとした動きの演出もあるということで、『どうやって作るんだろう?』『今回もまたむちゃブリだな』と感じましたね(笑)。しかも、隣には宮川彬良さんがいらっしゃって、朗読に合わせてピアノの生演奏もされているんです。オリジナルの曲を歌わせていただいたシーンもあり、今年一番といえるほどの大変さがありましたが(笑)、その分、新しい演劇表現を生み出すことができたのではないかと思っています」


井上さんは2013年にこまつ座公演の『イーハトーボの劇列車』(作:井上ひさし/演出:鵜山仁)で宮沢賢治役を演じられていました。宮沢作品にはどんな思い入れがありますか?


「実をいうと、ずっと興味を持っていたものの、これまでしっかりと読んだことがなかったんです。そこも今回の企画に挑戦したいと思えた理由のひとつでした。実際に作品と向き合って感じたのは、いい意味でとらえどころのない物語だということでした。“どこの世界”、“いつの時代”という説明がなく、ただただお話が進んでいく。でもだからこそ、一度足を踏み入れると、自分の想像力次第でどんどんとイメージが広がっていく面白さがあるんですよね。しかも、そこには宮沢賢治が目指した理想郷ともいえる世界が描かれていて、考えさせられることも多い。台本を読みながら本当に銀河鉄道に乗って旅をしているような感覚になりましたし、セリフや描写にハッとさせられることもたくさんあって、とても不思議で刺激的な体験ができました」


劇中には多くの登場人物が出てきますが、強く感情移入したキャラクターはいましたか?


「印象的だったのは船が沈んで亡くなった3人の子供たちでした。このエピソードはおそらくタイタニック号のオマージュだと思うのですが、彼らは自分たちよりも若い子たちを優先させてボートに乗せ、その結果、犠牲になってしまう。亡くなってしまったことへの悲しさはもちろんありましたが、命を失うかもしれないという状況の中で、彼らは何をすることが一番正しいのかを考え、その結論として、結局正しさの答えを見つけ出せなかったけれども、自分たちを犠牲にするという選択をとったことが僕にとってはとても衝撃的で。この『銀河鉄道の夜』は“本当の幸せの在り方”を問うことも、作品の大きなテーマになっているのですが、自分の幸せだけでなく、まず全体の幸せを一番に考えるというところに宮沢賢治の理念を感じましたし、そうした思考が普段の僕らの頭の片隅にあるだけでも、きっと毎日の過ごし方が変わっていくのかもしれないなと思いました」


最後に、放送をご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。


「僕もよくいろんな舞台映像を見ることがありますが、動きの少ない朗読劇は、きっといつも以上に集中力が必要だと思います(笑)。でも、今回はカメラの数も多く、普段の劇場中継にはない角度からの映像がたくさんありますし、歌や演奏、照明などの演出も加わっていることで、新鮮さを感じながらご覧いただけると思います。僕ひとりでは作りえなかった、たくさんの専門家の方たちの力が結集されて完成した作品ですので、細部まで楽しんで見ていただけると幸いです」



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