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Special Interview 坂東玉三郎 夢を壊さないバックステージものとしての情景。映像でしか観られないものを大切にしています。

坂東玉三郎

台の感動を映像に甦らせ、プラスアルファの感慨をもたらすシネマ歌舞伎。 なかでも坂東玉三郎の主演作品は出色なものが多い。例えば最新作『沓手鳥孤城落月/楊貴妃』では、「孤城落月」の登場人物たちが生きた桃山時代の美術品を媒介として、作品世界へと誘っている。
一方、放送される『阿古屋』では、現実には観客が目にできない貴重な光景が映し出される。たとえば老練な俳優から若手まで、ひとつの舞台に集中する稽古場での様子。そしてそれぞれの役割に邁進するスタッフ。さらに本番直前の緊張漲るシーン。


「夢を壊さないバックステージものとしてその情景をお見せする、ということに重きを置きました」


傾城阿古屋を演じる玉三郎が、逆光を浴びて花道へと出ていく姿。その豪奢な衣裳、耳元で揺れる髪飾り。どれも選び抜かれたシーンばかりだ。
さて、阿古屋が連れ出されたのは、平家の残党・景清の行方を詮議する場。恋人である景清の居どころを知らないという阿古屋の言葉に偽りがないか、演奏する楽器の音色で判断しようというのである。
そこでの琴、三味線、胡弓の演奏は、この作品最大の眼目となっている。


「ただひたすら景清のことを思って楽器を奏でる。演奏としてお客様にお聴かせしつつ、常に阿古屋という女性であること。そこにこの役の難しさがあります」


となれば、この作品にとって音は重要なファクター。


「映像の録音のために演奏しているわけではありませんから、どうしても劇場での周囲の雑音も拾ってしまいます。ですが、技術が進歩したおかげでクオリティーを高めることができました」


シネマ歌舞伎における最初の玉三郎主演作品は、2006年公開の『鷺娘/日高川入相花王』だった。しかし音に関しての問題で当時の技術では妥協せざるを得ないところもあった。


「それもこのたびサウンドリマスター版ができたことによって、よりよい音質でお届けすることが可能となりました」


どちらも音楽が重要な役割を担う舞踊だけに、劇場体験の臨場感がよりリアルに甦るはずだ。
こうして玉三郎は、生の体験に近いグレードを保つことにこだわりを持って向き合って来た。そしてもうひとつ大切にしているのは、「シネマ歌舞伎でしか観られない映像があるべき」ということである。


「シネマ歌舞伎が始まった当初から申し上げて来たことでした」


そして何作品かを経て、次第にそれは実現していく。『二人藤娘/日本振袖始』では冒頭で玉三郎による挨拶の後、解説がある。神話が題材となっている「日本振袖始」には、知っておいた方が鑑賞の手助けとなる情報があるのだ。それを玉三郎自身の言葉で語っているのである。さらにふたつの舞踊に対する演じ手の思い。どれも映像だからこその、得難い特典だ。
『桜姫東文章』はシネマ歌舞伎ではないが、桜姫は玉三郎畢生の当り役。これもまた貴重である。




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