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Cinema de 温故知新

“新人アイドルの通過儀礼” 美少女ホラー映画『エクステ娘 劇場版』

個人的には、怖い映画が不得手だ。嫌いというわけではないのだが(でもスプラッタものは嫌い)、基本的に怖い想いをするのは現実生活だけでたくさんだ! といったものが、常に心のどこかにあるからだろう。

 とはいえ、時折どうしてもホラー映画を見てみたくなるときがある。なぜなら、そこに美少女=アイドルがいるからだ!  洋の東西を問わず、いわゆるホラー映画というものは昔からなぜかアイドルであったり美少女であったり、要するに若くて可愛い女の子が多数登場するものが多い。そして主人公以外は大方殺されてしまうのがひとつのパターン。要するに美少女がいっぱい殺されるのが、ホラー映画の醍醐味のひとつにもなっているのだ。

 衛星劇場でも1月、《真冬のアイドルホラー》と称して、鈴木まりや主演『こっくりさん 劇場版 新都市伝説』(13)、中塚智実主演『エクステ娘 劇場版』(14)、菊地あやか主演『隙間女 劇場版』(14)といったAKB48関連アイドル主演のホラー映画を特集する(しかし、ホラーといえば普通真夏でしょ? なんて理屈はもう通らない時代になっちゃいましたね。そういえば怪談話の達人・稲川淳二さんに取材した際、「日本のホラーは夏だけど、西洋のホラーは冬枯れが似合う」って言ってました)。

 そういえば、往年の怪談映画の時代から、美しいヒロインがおぞましき悪霊と化して、自分を苦しめ亡き者にした連中に復讐するというのはひとつのパターンではあったが、当時はまだ美少女アイドルという概念もなく、大人の美人女優がそれを演じるのが常であったように思う(そういえば新東宝の怪談映画は、北沢典子なるメチャクチャ可愛い女優さんがいつも助演していて、ヒロインよりも彼女ばかりに目が行ってしまいがちではある)

 美少女+ホラーの概念を革命的なまでに日本映画で確立させたのは、大林宣彦監督の商業映画デビュー作『HOUSE ハウス』(77)かもしれない。ここでは愛の想いが戦争によっておぞましき形で古屋敷に憑りつき、そこを訪れた少女たちを井戸や布団、ピアノなどを用いて次々と食べてしまうというキッチュなカルト・ホラーであった。

エクステ娘 劇場版

その後80年代以降のビデオ・ブームに乗せて、ホラー・オリジナル・ビデオが続々と制作されるようになり、その中に美少女を主軸にしたものが定番化していくが、それはいつしかアイドルとしての登竜門というか、特に10代の新人アイドルの通過儀礼となっていった。90年代半ば以降、菅野美穂や佐伯日菜子、深田恭子、仲間由紀恵、堀北真希、栗山千明、柴咲コウ、宮アあおい、志田未来、川口春奈、夏帆などなど多数の美少女たちが映画やドラマ、OVでホラーを体験してきている。

 恐怖と美少女の相性の良さは、それこそ心理学など学術的論考が可能だろうが(そういえば西洋では100年に一度の世紀末が訪れるたびに、ブルジョア階級の男たちが美少女を囲ったりして愛でる傾向があったという)、難しいことは専門家にお任せするとして、やはり美少女の悲鳴と恐怖にあえぐ表情などは、どこか映画の闇に望まれて久しいものがあるのだ。

 ただ、一方でどうして美少年ホラーというジャンルはなかなか確立されないのだろう?(でも、そのうち革命的なものが登場するかもね)

※2017年1月は、『エクステ娘 劇場版』のほか、鈴木まりや主演『こっくりさん 劇場版 新都市伝説』('14)、菊地あやか主演『隙間女 劇場版』('14)も放送予定。