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Cinema de 温故知新

テレビ西部劇黄金時代を築き上げた名作『ララミー牧場』

何気に往年の海外テレビドラマ・シリーズを放映してくれる衛星劇場だが、11月からはテレビ西部劇シリーズの名作『ララミー牧場』のオンエアが決定した。

 『ララミー牧場』は1959年から63年にかけて、アメリカNBCをネットに、1話完結方式で全124話がカラー放映された。日本では60年6月30日から63年7月18日まで、NETテレビ(現・テレビ朝日)をキー局にオンエア。

 ストーリーは、南北戦争が終結してまもない1860年代の後半、ワイオミング州ララミー市の郊外にあるシャーマン牧場。この牧場はスリム(ジョン・スミス)とアンディ(ロバート・クロフォード・Jr)のシャーマン兄弟が経営しているが、牧場存続のために、大陸横断郵便の要でもある駅馬車中継所も営んでいる。

 あるとき、牧場がギャング団に襲われたとき、兄弟の危機を救ってくれた一匹狼のガンマン、ジェス・ハーパー(ロバート・フラー)が牧場の一員として迎え入れられた。さらには兄弟の亡き父と親しかったウイリー爺(ホーギー・カーマイケル)が加わり、牧場と駅馬車中継所を舞台にした、壮大なドラマが繰り広げられていく。

 日本での初放送時は、クリント・イーストウッド主演の『ローハイド』と並んで高視聴率を獲得し(最高視聴率は43・7パーセント)、テレビ西部劇黄金時代を築き上げたドラマでもあり、61年4月にロバート・フラーが来日した際は10万人のファンが殺到し、時の池田隼人首相にも招待されるなど、白熱した歓迎を受けたとのこと。フラー自身、来日の際の歓迎ぶりはかなり嬉しかったようで、そのことを裏付けるかのように、第3シリーズ第1話ではシャーマン牧場に日本人が現れるという設定の物語が披露されている。

 実際、アンディとウイリーが登場するのは第1シリーズのみで、第2シリーズ以降はスリムとジェスのふたりが主人公となり、第3シーズンからは孤児のマイク(デニス・ホームズ)とデイジーおばさん(スプリング・バイトン)がレギュラーとして新加入しているが、日本ではこうした人気もあって、ロバート・フラー主演ドラマのように思われている節もある。

ララミー牧場

毎回番組の最後には淀川長治氏による「西部こぼれ話」コーナーが設けられ(これをきっかけに、淀川氏は『土曜洋画劇場』→『日曜洋画劇場』の解説を担当することにもなった)、また松本零士(当時は松本あきら)によるコミカライズも漫画雑誌『日の丸』で60年10月号から62年10月号まで連載されている。

 フラーの声を吹き替えた久松保夫のべらんめえ調の台詞廻しやデューク・エイセスの日本語版主題歌など、当時の日本語吹替版の印象を強く持たれているかたも多いと思われるが、現存している吹替版は21話分しかなく(こちらはDVDが発売されている)、今回はオリジナル英語音声の日本語字幕版で放映となる。本放送を知るかたがたとしてはかなり印象が異なることだろうが(またモノクロテレビ全盛だった当時、カラーで見ていた人は少なかろう)、それはそれで新鮮な気持ちで鑑賞していただけたら幸いである。

 それにしても、よくよく考えると劇中の牧場の名前はシャーマンなのに、『ララミー牧場』という邦題は大間違いであり、紛らわしくもあるのだが、どことなく当時の大らかな時代性を物語っているような気もして、憎めない者があるのも事実である(ちなみに原題は“LARAMIE”)。