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Cinema de 温故知新

万人から愛された人気シリーズ『釣りバカ日誌』

釣りのことしか頭にないハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)と、彼の釣りの弟子であるとともに、彼の会社の社長でもあるスーさんこと鈴木一之助(三國連太郎)。ふたりの釣りバカの日常と、ちょっとした事件の数々を抱腹絶倒のお笑いで魅せていく『釣りバカ日誌』シリーズ。

 『男はつらいよ』と並んで松竹が誇る名物喜劇シリーズが2009年の第22作『釣りバカ日誌20 ファイナル』で完結を迎えて、早7年。しかしその人気は収まることを知らず、昨年秋にはTVドラマ・シリーズとしてリニューアルされた『釣りバカ日誌〜新入社員浜崎伝助』(15)がオンエアされ、好評を博したばかりである(こちらは西田敏行がスーさんを演じたことでも話題を集めたが、三國の個性を上手くつかみつつ、新たなスーさん像を体現。ハマちゃん役の濱田岳も好演であった)。

 さて、このたび衛星劇場では『釣りバカ日誌』シリーズを毎月オンエアしていくことを決定。やはり定期的に浜ちゃんスーさんに会えるのは嬉しいものである。

 思えばこのシリーズ、第1作が公開されたときは80年代半ばには真っ只中であったバブルが弾けるや否やといった時期であったが、その後も社会の状況に応じながら鈴木建設が右往左往していく様が描かれていた。社会性などというと堅苦しいが、実は『釣りバカ日誌』こそは時代の流れを敏感にキャッチしながら成立していたシリーズなのであるが、それを重苦しく感じさせないのは、やはりどんな時代であろうと釣りバカとしての信念が揺らぐことのないハマちゃんのお気楽極楽キャラクターである。特に世紀末に向かって加速していった時代の閉塞感の中、何物にも左右されないハマちゃんの姿に励まされ、勇気づけられたサラリーマン諸氏は多かったのではないか?(しかも彼は意外なところで大きな取引を成し得ることも多々あった!)

釣りバカ日誌

そのハマちゃんだが、愛妻みち子さんとの「合体」を毎度名物シーンに据えるほど相思相愛の仲ゆえに、彼をめぐる恋のさや当てエピソードを作る余地もなく(そんなハマちゃんが、ミチ子さんの浮気を疑う設定で異彩を放ったのが森崎東監督の『釣りバカ日誌スペシャル』だった)、その代わりにスーさんに老いらくの恋といったエピソードを多々設けたことで、本シリーズは年配層を勇気づけ、支持を受けた(要は、自分たちもまだまだ頑張れるのだ、と⁉)。

 三國連太郎も本来は怪優として畏怖される存在だったが、本シリーズの出演を経て、どこか好々爺的で親しみやすいおじいちゃんとして若者層にも受けていったが、その若い女性たちからスーさんがセクシーだという声も多く聞いた。それは三國連太郎だけが持ち得る妖艶さが、コミカルな役においてもそこはかとなく発散されていたからだろう。

 閑話休題。昨年のTVシリーズを楽しく見ながら、このキャストによる映画化がいずれはなされ、シリーズ復活もありなのではないかと勝手に想像してしまったのだが、結果はいかに? いずれにしても、みんなでいつまでもこの『釣りバカ日誌』を応援し、愛していきたいものである。