花筐/HANAGATAMI

作品詳細

少年は魂に火をつけ、少女は血に溺れる。

世界的カルト映画にして大林宣彦監督のデビュー作『HOUSE/ハウス』(77)より以前に書き上げられていた幻の脚本が40年の時を経て奇蹟の映画化。自分の命さえ自由にならない太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちを主軸に、心が火傷するような凄まじき青春群像劇を、圧倒的な映像力で描く。

1941年の春、両親の元を離れ佐賀県唐津に暮らす叔母の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦。アポロ神のように雄々しい鵜飼、虚無僧のような吉良、お調子者の阿蘇ら学友を得て“勇気を試す冒険”に興じる日々だった。肺病を患う従妹の美那に恋心を抱きながらも、女友達のあきねや千歳と“不良”なる青春を謳歌している。しかし、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく。
「殺されないぞ、戦争なんかに!」俊彦はひとり、仲間たちの間を浮き草のように漂いながら、自らの魂に火をつけようとするが…

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