内海の輪

作品詳細

原作は昭和41年から週刊朝日に連載された小説、松本清張『黒の様式』シリーズの中の「霧笛の町」。松本清張作品の中でも珍しく「女性心理」を露出させたことで注目を浴びたサスペンス。四国・松山の呉服商の妻は、先夫の弟と関係を持っていた。だが、彼は立身出世のために次第に女が邪魔になっていく。そして、その気持ちはいつしか、女への殺意に変わり…。男のエゴと女の情念をからめて描く松本清張サスペンス。

西田美奈子29歳。いまは四国松山の呉服の老舗伊予屋の当主・慶太郎の妻である。彼女は3ヵ月に1回上京した。半分は商用であり、半分は大学で考古学を専攻し、まもなく助教授の椅子につく江村宗三とのひそかな情事のためであった。宗三は妻の父が考古学の権威で次期学長に擬せられるという人物なので、労せずにエリートコースに乗っていた。彼は五年前の鮮烈な記憶が忘れられなかった。そのころ、美奈子は宗三の長兄・寿夫の新妻だった。しかし、寿夫は水商売の女と出来ていて駈け落ち同然に、静岡きっての菓子屋の暖簾を捨てた。二人が同棲している新潟へ迎えに行く美奈子の護衛役に、まだ学生だった宗三が選ばれ…。

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