作品詳細
雪の夜、吉原にほど近い入谷の蕎麦屋。そこへ雪道を掻き分けて片岡直次郎がやって来た。
店に入った直次郎は蕎麦と熱燗で冷えた体を温めた後、店の亭主・仁八に吉原にある大口屋の寮の様子を尋ねたところ、少し前に同じような問いをしたふたり連れの客がいたことを聞き思案する。実は直次郎は数々の悪事を重ねてお尋ね者の身のため、大口屋の寮で養生中の恋人・三千歳と思うように会うことができない。後から店に入ってきた按摩の丈賀と亭主の会話から丈賀が大口屋の寮に向かうことを知り、三千歳への手紙を託す。そして三千歳のいる寮へ向かう途中、直次郎は共に悪事を働いた前科者の暗闇の丑松に呼び止められる。共にお尋ね者の身、江戸にはいられない二人は互いの無事を祈って別れるが…。
(2017年／平成29年11月・歌舞伎座）
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