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Cinema de 温故知新

西部劇『ブロンコ』3月放送スタート。“活劇の原点”西部劇の魅力とは?

 最近若い映画ファンと話をする際、極力西部劇の話を切り出すようにしているのだが、やはりノリが悪いというか、シネフィル的観点でジョン・フォード監督やハワード・ホークス監督など名匠の名前は上がっても、いわゆるB級プログラムピクチュアのタイトルが口から出ることは皆無に近い。

 そのくせマカロニ・ウエスタンになると俄然身を乗り出して、未公開作品まで熱く語り出したりするのだから、時代は変わったなあと思う(私が子供の頃、大人たちはマカロニをどこかニセモノ的に見下していたものだが、今は血と銃弾の嵐による殺戮ヴァイオレンス・アクションのほうが、むしろとっつきやすいのだ)。

 もちろんマカロニ・ウエスタンにも愛してやまない作品は多々あるが、本場の西部劇にも注目してもらいたいもの。ただし今のアメリカの実情などを鑑みるに、フロンティア・スピリットを高らかに謳い上げる西部劇に違和感を抱いてしまうのもやむなしか。

 とはいえ、やはり活劇の原点は西部劇であるし、それがTVドラマであっても変わりはない。むしろ映画よりアットホームでのんびりと、大西部の荒野を拝見できるメリットもあるというものだ。

 実際、TVが日本の家庭に一気に普及していく1960年代前半、海外TVドラマの吹替版が多数放映され、それが現在の日本独自の声優文化を育むことにも繋がっていったわけだが、当然ながらその中には『マーベリック』『拳銃無宿』などの西部劇も含まれている。

 衛星劇場でも定期的に懐かしの映画&TV西部劇をお届けしており、現在も『ララミー牧場』が好評を博しているところだが、3月から新たに『ブロンコ』(58〜62)が始まる。

 アメリカ本国では1958年から1962年にかけて放映されたこの作品(日本では1961年から)、南北戦争で父を亡くし、無法者に母を殺された元南軍大尉ブロンコ・レーンのさすらいの旅を通して人間として大きく成長していく姿を描いたもので、クリント・ウォーカー主演『シャイアン』とウィル・ハッチンス主演『シュガーフット』の間に挟まるワーナー・ブラザースTV西部劇3部作の1本としても知られる。

『ブロンコ』

 ビリー・ザ・キッドやジェシー・ジェームズなど西部開拓史上に残る実在の人物も多数登場。日本では『シャイアン』以上の人気を得ていたとのことだが、やがてアメリカでは『シャイアン』と『ブロンコ』を交互に放映するようになり、番組名も『ブロンコ・シャイアン』と改め、日本もこの形式に倣った。

 主演のタイ・ハーディンは本作で人気を得て、『魚雷艇109』や『陽動作戦』『バルジ大作戦』など60年代戦争映画で活躍した後でヨーロッパに渡り、セルジオ・コルブッチ監督『太陽の暗殺者』や、日本未公開だがマカロニ・ウエスタンにも出ている。『ローハイド』で人気を得た後でイタリアに渡り『荒野の用心棒』でマカロニ・ウエスタンの一大ブームを築いたクリント・イーストウッドにしてもそうだが、当時のアメリカTV西部劇で名を馳せた若手俳優の多くは、イタリアで血と暴力の洗礼を受ける宿命でもあったのだろうか。

 ならば、およそ半世紀を超えた今、彼らの“西部劇”での勇姿を再び堪能し、その楽しさを若い映画ファンなどに伝えていきたいものである。何せタイ・ハーディンの早撃ちは、ホルダーから拳銃を抜いて弾を発射するまでコンマ何秒か? が当時クイズ番組で出題されたほどのカッコよさなのだから!