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Cinema de 温故知新

貴重作が目白押し!「松竹プログラムピクチュアの名手たち」

このところ衛星劇場では毎月《松竹プログラムピクチュアの名手たち》と題して、その名の通り戦後昭和の松竹映画を支えてきた監督たちの作品を好評放送中だが、8月以降も市川泰一監督、前田陽一監督、斎藤耕一監督の作品を放送する。今回はその中からおすすめの作品をご紹介したい。。

 市川泰一監督は松竹ならではの歌謡映画で鳴らした職人肌で知られ、8月に『舞妓はん』(63)『すっとび野郎』(65)といった橋幸夫のヒット曲をモチーフにした作品も放送されるが、個人的に今回強く推したいのが『快人黄色い手袋』(61)である。

 これは『月光仮面』で知られる川内康範の原作・脚本で(冒頭には本人も登場)、これを原型にして、後に桑田次郎・画の漫画『黄色い手袋X』に、そしてTV特撮ヒーローもの『ダイヤモンド・アイ』(73〜74)が作られたことでもマニアには有名なヒーロー映画であり、しかもその主人公を演じるのが、何と喜劇名優の伴淳三郎! 美声の歌を披露しながら(と思ったら、歌は森繁久彌でした⁉)、月光仮面さながらの覆面姿で登場し、さっそうと現代の悪を懲らしめる!。

 これはぜひとも周りの特撮ヒーローファンに吹聴していただきたいテレビ初放送のレアな作品であるが、市村監督のキャリアでこういった作品まで手掛けていたこと自体に驚きである。  9月は前田陽一監督。名匠・渋谷実監督に師事し、自身も喜劇を中心に活躍。しかし、そのタッチには常に時代に対する意見具申などがなされており、今ではシネフィルからの支持は熱く、もっと再評価されてしかるべき名匠である。

 今回は軍歌をモチーフに戦中派と戦後派の心の断絶を描いた『喜劇あゝ軍歌』(70/DVD未発売!)や、先ごろ亡くなった名優・渡瀬恒彦に多数の主演男優賞をもたらした松竹映画史に残る名作『神様のくれた赤ん坊』(79)も必見だが、ここではデビュー作の『にっぽんぱらだいす』(64)を推したいところ。

 これは終戦直後から昭和33年の売春防止法発効までの遊郭を舞台に、そこで生きる女たちやその客、業者など様々な人間模様を描いた作品で、こちらも意外やテレビ初放送であるが、軽快ではあれ、反骨の姿勢を一貫して崩さないタッチからは、後の前田作品の原点みたいなものを見出すこともできることだろう。

『快人黄色い手袋』

10月は斎藤耕一監督。スチル・カメラマンから映画監督に転身し、日本のクロード・ルルーシュと称され、特に1970年代は映画ファンから絶大な支持を集めた映像の詩人で、ワケアリ男女のたった3日間の切なくも燃えた恋を描きキネマ旬報第5位にランクインした『約束』(72)はその代表格ともいえるもの。かと思うと植木等を主演に迎え、売れない小説家が霊感のある少年を利用して新興宗教団を立ち上げていくスピリチュアル・コメディ『喜劇・ここから始まる物語』(73)と、彼もまた手掛けるジャンルは多彩であった。

 監督デビュー作『囁きのジョー』(67/テレビ初放送)もまた、ブラジルに行くことを夢見ている殺し屋ジョーの数奇な運命を描いたハードボイルド・ラブストーリー。これは彼が斎藤プロダクションを設立して、企画から監督・脚本・撮影・音楽(共同)と務めた意欲作としても知られている。

 今回ご紹介した3人の監督。個人的にも愛してやまない存在で、この機会にぜひ彼らの作品群に触れていただきたい(特に『快人黄色い手袋』は必見です!)。

今後のラインナップ
9月放送 前田陽一監督
『にっぽんぱらだいす』出演:香山美子、ホキ徳田
『喜劇 あゝ軍歌』出演:フランキー堺、財津一郎
『神様のくれた赤ん坊』出演:桃井かおり、渡瀬恒彦

10月放送 斎藤耕一監督
『囁きのジョー』出演:中山仁、麻生れい子
『約束』出演:岸惠子、萩原健一
『喜劇・ここから始まる物語』出演:植木等、水野哲