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Cinema de 温故知新

お宝映画ファン必見の“幻の蔵出し映画館”。来月の見どころは…?

以前もこのコーナーで書かせていただいたが、衛星劇場の毎月のさまざまなプログラム編成の中でも《幻の蔵出し映画館》は映画マニアであればあるほど垂涎の連載企画である。

 映画館はおろか、およそソフト化されることもないであろう昭和のレアな邦画各社のプログラムピクチュアを中心にしたラインナップ。これを知っている人は相当の映画マニアだろうといったものも多く、何だか「君たち、こんなの知ってるかい?」とでもいった編成担当者と視聴者との映画クイズを愉しんでいるような気分にすらなることがある。

 思えば日本映画の黄金時代だった1950年代後半などは邦画の製作本数が年間500以上もあり、それこそ週替わりで上映されては消えていったものも多々存在しているわけだが、それらの中にもお宝的な傑作、秀作、快作、珍作も多数あるはずで、そういったものを発掘してオンエアしていくことも、BSやCSなど映画専門チャンネルの醍醐味であり、またそれがいかに貴重な体験であるかを、視聴者の側にも理解していただきたいところではある。

 さて、4月の《幻の蔵出し映画館》だが、まずは日活が戦後に製作再開してまもない1955年に作られた作品『陽気な天国』。これは当時歌手として人気絶頂だった近江俊郎が自ら製作・主演した作品で、しかも監督は榎本健一と並ぶ戦前戦後の喜劇王・古川ロッパが古川緑波・名義で初監督! 自身も出演し、さらには森繁久彌や三木のり平も共演という豪華なキャスティングである。

 お話は温泉街を流す艶歌師のヒロシ(近江俊郎)が、東京で歌のテストを受けるも、同行していた妹が受かって人気歌手になってしまい、落ち込んだヒロシは(何と歌い方が近江俊郎そっくりで個性がないという理由で落とされる!?)、姿をくらますが、そんな彼を恋人のおテル(暁テル子)が探し求め……といったもの。近江の代表曲『湯の町エレジー』をはじめ数々の昭和の名曲を作曲し続けた古賀政男も本人役で出演し、本作の音楽も担当している。

陽気な天国

続いて1959年の大映映画『代診日記』。こちらは山と川に囲まれた平和な田舎の村を舞台に、医者の娘で村一番の美人と評判の加津子(仁木多鶴子)と、東京から来た生真面目な青年医師・山口(田宮二郎)の「喧嘩するほど仲が良い」といった恋模様をコミカルに描いたもので、監督は『黒の挑戦者』(64)や『喧嘩犬』(64)など田宮二郎とのコンビ作も多く、一方では『あゝ零戦』(65)『あゝ海軍』(69)『あゝ陸軍隼戦闘隊』(69)『樺太1945年夏 氷雪の門』(74)など戦争映画路線の雄となっていく村山三男。  

 1973年の松竹映画『花心中』は、姉(横山リエ)と心中するも生き延びてしまった男(近藤正臣)と、姉の心情を理解することで自らの生き方を発見すべく、彼に近づいていく妹(中野良子)との行末を描いたもので、監督は『約束』(72)『旅の重さ』(72)『津軽じょんがら節』(73)など1970年代を席巻し、「日本のクロード・ルルーシュ」ともたとえられた名匠・斎藤耕一。脚本をテレビ・ディレクターを経て舞台演出で活躍した福田陽一郎が手掛けている。  

 ホント、こういうものを放映してくれるから衛星劇場はたまらない。そろそろ自分にとっての幻の映画もリクエストもしてみようかな? と最近本気で思い始めているところであった。