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歌舞伎彩歌

ちょっと幕間 季節と歌舞伎 「おめでたい」演目で新年を祝う

七福神

春は花見、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪見。日本人ほど春夏秋冬と生活感が深く結びついている民族はいないと言います。装いやデコレーションでは早め早めに季節感を取り入れるのも特徴。「初物(はつもの)」を珍重する精神も、そんなところからきているのかもしれません。


歌舞伎の演目も無関係ではありません。「義経千本桜」「京鹿子娘道成寺」や「紅葉狩」などの書割り(背景画)を見ると、桜や紅葉でむせ返るほど。「髪結新三(かみゆいしんざ)」では鰹売りが登場、江戸っ子が初鰹を食べたくってしょうがない、けれど高くて手が出ないというジレンマが面白く描かれています。これが本当に5月ごろの上演だと、劇場内だというのに爽やかな風がすっと通り過ぎていくようにさえ感じられるから面白いものです。


またお正月は「正月くらい歌舞伎を観よう」と思う人が多いようで、その証拠に1月は東京でも歌舞伎座だけでなく、国立劇場、新橋演舞場、浅草公会堂、大阪でも京都でも、と歌舞伎公演が百花繚乱。お正月というハレの日に、ちょっとよそ行きに和装などして楽しく過ごしたい、と思う時、歌舞伎はちょうど良い娯楽なのかもしれません。


歌舞伎には色々なジャンルがあって、全部が全部ハッピーエンドではないし、新歌舞伎のように、歌舞音曲を排しセリフ劇に徹した地味めの演目もあります。でも「お正月気分」を味わいに歌舞伎を見るなら「おめでたい」演目を見たいですよね。よく上演されるのが「矢の根」で、芝居小屋の太夫が主人公・曽我五郎のところへお年始のご挨拶にやってくる設定になっています。五郎はいい初夢を見ようと寶船の絵を枕の下に敷いて寝ますし、「一富士二鷹三なすび」など、縁起が良いとされるものがあちこちに描かれていて、舞台も正月、客席も正月。気がつけば自然と顔がほころんでいる……。他愛のないストーリーですが、愛されている演目です。


今年の1月歌舞伎座で上演されたのは、海の向こうから寶船がやってきて、そこから七福神が降り立つという演目でした。恵比寿に弁財天、寿老人、福禄寿、布袋と毘沙門、そして大黒天。極楽からやってきたような優雅さやきらびやかさあり、お酒好きな神様でほろ酔いのところに笑いありで、劇場にいながら七福神巡りをしたような気分に。 この月は、高麗屋三代同時襲名披露公演でもありました。「七福神」は、おめでたさも二倍三倍の季節にふさわしい演目だったと言えましょう。