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歌舞伎彩歌

ちょっと幕間 男勝りがカッコいい!「女丈夫」

彦山権現誓助剱〜毛谷村

歌舞伎で描かれる女主人公というと、遊郭に身を売ったり、殺されたり騙されたりして運命に翻弄される薄幸の人、というイメージが強いかもしれません。あるいは、お色気たっぷりで男を騙す悪女を思い浮かべる人もいるでしょう。そういう中で異彩を放つのが「女丈夫」です。 「女丈夫」とは、男勝りで豪胆、しっかりした女性の意。大柄だったり力が強い女性を示す場合もあります。代表的なのが「嫗山姥(こもちやまんば)」の主人公・八重桐(やえぎり)です。彼女は坂田金時、つまり金太郎のお母さん。快活でズバズバ物を言う性格の上、死んだ恋人・坂田時行の魂が体内に入ってからは力も強くなり、大活躍します。


もう一人有名なのが「女暫(おんなしばらく)」の巴御前(ともえごぜん)。「女暫」とは、「(しばらく)」の女性版で、本家本元の「暫」のスーパーヒーロー・鎌倉権五郎(ごんごろう)と同じように、善人をいたぶる悪人たちをあっという間に退治するという筋書きです。中村勘三郎が「ガンダムみたい」と評していたごつい衣装をちょっぴり女性版にアレンジして登場しますが、名前が巴御前とは、いかにもというネーミング。夫・木曽義仲とともに鎧兜の騎馬姿で源平合戦を戦った巴御前は、史実にその名を轟かした「女丈夫」のナンバーワンかもしれません。


彦山権現誓助剱〜毛谷村(ひこさんごんげんちかいのすけだち〜けやむら)」のお園も身の丈六尺、つまり180pという大柄な女性です。女性としては現在でもかなり高い方ですが、江戸時代は男性でも150pくらいの人がたくさんいたのですから、街中を歩けば「見上げるような大女」だったことでしょう。吉岡一味斎という武道の達人の娘に生まれ、剣の腕も確か。重い臼も軽々と動かしてしまうほどの力持ちでもありました。お園は虚無僧の格好で登場し、鋭い立ち回りで男と斬り結びます。ところがこれが大きな勘違い。その男・六助は甥を連れ去った悪者ではなく、悪者から甥を助けてくれたいい人だったのです。その上、六助は父の一味斎が人柄を見込んでお園の婿にと決めた人物!それを知ったお園は急に頰を赤らめ「女房じゃ、わしはお前の女房じゃ!」といそいそウキウキ。


「デキる女」はなまなかな男性では満足できないもの。「女房じゃ、女房じゃ」はちょっとはしゃぎすぎですが、長い間独身を貫いて来た女性が、性格もよく腕っぷしも強い男性にようやく巡り会い、「こんな人を待っていたの!」と目をハートにする気持ち、女性ならわかりますよね。