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歌舞伎彩歌

「慙紅葉汗顔見勢〜伊達の十役」染五郎、見事な男女十役早替わり!

「慙紅葉汗顔見勢〜伊達の十役」染五郎、見事な男女十役早替わり!


「伊達の十役」は昭和54年(1979年)、「スーパー歌舞伎」の生みの親でもある三代目市川猿之助(現・猿翁)が約150年ぶりに復活させた「伊達騒動もの」の一つです。「伊達騒動」とは実際に仙台藩伊達家で起きた御家騒動で、家老一派が御家乗っ取りを謀って藩主を隠居させ、跡を継いだばかりの幼少藩主まで毒殺しようとしたといういきさつを題材に、いくつもの作品が誕生したのです。そう聞くと、歌舞伎好きの方なら人気演目「伽羅先代萩」を思い出されるのではないでしょうか。「伽羅先代萩」も伊達騒動もの。その主人公で幼い藩主を実子・千松とともに命がけで守る乳人(めのと)政岡や、敵役の仁木弾正(にっき・だんじょう)などは、「伊達の十役」でも主要な人物として登場します。


みどころは、当然ながら一人十役の「早替わり」。スーパー歌舞伎では定番の「宙乗り」もあり、ワクワク感満載のスペクタクルな仕掛け=ケレンを随所に施した作品です。 今回、この十役に挑戦したのは市川染五郎。どの役もストーリーに不可欠な重要な役ばかり。
女形の中でも大役・難役の一つに挙げられる政岡や、妖術使いの仁木弾正を筆頭に、隠居に追い込まれる藩主・足利頼兼、その頼兼が色香に迷う美しい花魁・高尾太夫、荒事の隈取で床下に陣取る荒獅子男之助、悪徳坊主・土手の道哲、「国崩し」と言われる大敵・赤松満祐、若き忠臣・絹川与右衛門、悲劇の美女・腰元累、優れた智略で一見落着させる切れもの・細川勝元。まったく異なる役柄を、見事かつスピーディーに演じ分けます。


染五郎は日ごろから、和事によく登場する二枚目の優男、大石内蔵助のような中年の正義漢、はたまた荒事の主人公と、幅広いジャンルの立ち役(男役)を務める役者であり、その上静御前のような女形もできる得難い才能と身体の持ち主。だからこそ、どの役も登場した瞬間から、違和感なく物語に溶け込んでいくのでしょう。


幕開きに、染五郎自身がパネルを使って、誰がどんな人かを説明してくれる口上もあり、ビギナーにも優しい舞台です。歌舞伎のいろいろが詰まった作品として、楽しんで御覧ください。