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歌舞伎彩歌

ちょっと幕間「暗闇の中を動く「だんまり」の世界」

音羽嶽だんまり 歌舞伎には「だんまり」という手法があります。「暗闇」と書いて「だんまり」と読ませるように、「真っ暗な中で登場人物が手探りで動く」様子を描いたシーンのことです。
設定は「真っ暗」ですが、舞台の上は多少照明が暗くなる程度で、観客からは俳優たちがよく見えます。それだけに、ゆっくりした音楽に合わせ、俳優たちが誰とも視線を合わせずスローモーションで右に左に移動するだけなので、「この人たち、何やってるんだろう?」と思ってしまうかもしれません。
でもルールを知っていれば、イマジネーションの世界で遊ぶことができます。では「だんまり」のルールとはどんなものなのでしょうか?


多くは敵と味方とが鉢合わせになったとき、月が雲に隠れるとか、ろうそくの火が消えるなどして真っ暗になります。人々は、誰が敵で誰が味方かわからない状態。皆、敵に自分の存在を知られぬよう「黙って」「ゆっくり」動きます。しかし動き回るうちに様々な人とぶつかったりすれちがったりして、持っていた大事な手紙や旗などの宝が敵から味方に、味方から敵の手へと渡っていきます。


「だんまり」の間はセリフも説明もありません。でも最後に雲から月が顔を出したり、夜が明けたり、ろうそくの火が灯ったりして“場が明るくなり” だんまりが終わると、「これは私がもらった!」とばかりに「戦利品」を高々とアピールして幕となります。


今月放送の「音羽嶽だんまり」は、平将門を滅ぼした源氏の郎党、滅ぼされた将門の子息たち、そして盗賊が三つ巴となって、将門が所持していた名刀・雄竜丸と繋馬(つなぎうま)の旗印を暗闇の中奪い合います。宝が誰から誰の手に渡っていくのか、そんなところにも注目してごらんください。


「だんまり」は、長い物語の中で展開に重要な1シーンとして使われることもあれば、ストーリーは二の次で、短い時間にスターをたくさん舞台上に上げるために使われることも。要所要所で見得を切ったり踊ったり、各人の見せ場がちゃんと用意されているので、誰が主役、誰が端役ということもなく、人気者を勢揃いさせて見せる工夫なんですね。