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歌舞伎彩歌

「新版歌祭文〜野崎村」譲れない恋!〜江戸版「木綿のハンカチーフ」はスピンオフ作品

新版歌祭文〜野崎村 「新版歌祭文〜野崎村」は、「於染久松色讀販(おそめひさまつ・うきなのよみうり)」という大ヒット先行作から生まれたスピンオフ作品です。


元となった「於染久松色読販」の主人公は、大店の娘・お染とその奉公人の久松。二人は恋仲になったものの、お染は稼業が傾いた家のために持参金付きの婿取りを母親から懇願されます。でもお染のお腹にはすでに小さな命が…!二人は進退窮まり心中してしまう、という物語です。


この作品の中にある「久松には幼いときに決められた許嫁がいる」という一文に着目し、名もない婚約者に「お光」という名を与え、新たな視点からお染久松の恋を描いたのが「新版歌祭文」です。久松の育ての親・久作が、久松を故郷の野崎村に戻し、お光と結婚させてお染をあきらめさせようとするところからお話は始まります。


最初のみどころは、許嫁の久松と久しぶりに会える、そしてお嫁さんになれる、と喜ぶお光の様子。祝言当日なのに、大根を切ったりして家事をこなす働き者の田舎娘のウキウキと恥じらいを、今回放送の舞台では中村福助がかわいらしく演じます。
そこに、お染登場! 大阪の中心地から久松を追ってはるばるやってきたお染を、恋する女の直感で「久松さんに言い寄ったのはこの女ね!」と悟り、絶対に家に入れまいとするお光。伴を連れ、振袖姿でマイペースに振舞う箱入り娘は片岡孝太郎。女同士の対決は、緊迫の中にも可笑しみがちりばめられた名場面です。


ようやく二人きりになったお染と久松の様子からただならぬ気配を察した久作が「心中などしやるな」と諭したため、久松もいったんはお光との結婚を承諾します。ところが花嫁衣裳に着替えてくるはずのお光は、なんと髪を下した出家姿で現れるではありませんか!


絶対に譲れない恋なのに、凛とした決意で久松への思いを断ち切ったお光の潔さ! 最後の最後に久作にすがって泣き崩れる姿には、思わずもらい泣きしてしまいます。


1975年にヒットした歌謡曲「木綿のハンカチーフ」には「都会の絵の具に染まらないで帰って」と願う地元の女の子の願いが込められていました。今も昔も、待つ女の切なさは同じですね。