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歌舞伎彩歌

アニメも絵本も歌舞伎にできるのはなぜ?

あらしのよるに 2015年は新作歌舞伎が次々と生まれました。その一つが「ONE PIECE」。主人公ルフィが叫ぶ「海賊王に、俺はなる!」が合言葉の冒険活劇で、原作は尾田栄一郎。アニメにもなり、世界的に大ヒットしています。もう一つが「あらしのよるに」。こちらは狼のがぶと羊のめいの友情を描いた絵本で木村祐一・作、あべ弘士・絵。シリーズ7作300万部という売り上げを記録し、映画にもなり、教科書にも載っている名作です。


「アニメや絵本を歌舞伎にするなんて画期的だね!」と思われた方も多いかもしれません。でも、歌舞伎は昔からこのようなことをやってきたのです。


そもそも「仮名手本忠臣蔵」や「義経千本桜」「曾根崎心中」など、歌舞伎で名作と言われるものの多くは、「義太夫狂言(ぎだゆうきょうげん)」といって、人形浄瑠璃(文楽)の台本を歌舞伎用にアレンジして作っています。つまり「人気人形劇の実写化」!
その「義経千本桜」や「熊谷陣屋」自体、平家物語に題材をとっていますから、今で言えば「物語のアニメ化→アニメの実写化」と進んできたことになりますね。


また、能や狂言がもとになった演目もたくさんあります。「勧進帳」は能の「安宅」、「身替座禅」は狂言の「花子」を歌舞伎にしたものです。こちらはいわば、オペラ「蝶々夫人」をもとにミュージカル「ミス・サイゴン」をつくったり、三谷幸喜の舞台を映画化したりする感覚かもしれません。
このように、歌舞伎を観れば日本の芸能文化史をすべて網羅できるのではないかと思うほど、歌舞伎はあらゆるジャンルにアンテナを張って魅了的なキャラクターや骨太なストーリーをハンティングし、時代にふさわしい魅力的な演出を加えていつの世の観客の関心にもこたえてきました。歌舞伎が「伝統芸能」であると同時に「大衆芸能」としての側面を常に忘れず、時代とともに生きてきたことに由来するのではないでしょうか。人々の関心が高いものをどんどん取り上げていくエネルギーは、江戸の時代も現代も変わることがありません。