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歌舞伎彩歌

『棒しばり』縛られたって飲みたい! 酒好き二人が繰り広げる楽しい舞の妙技

棒しばり 「棒しばり」は、狂言「棒縛」を基にしたコメディです。酒好きの家来・太郎冠者(たろうかじゃ)と次郎冠者(じろうかじゃ)に留守を任せるのが不安な大名は、二人を縛り上げてから外出しますが、彼らは協力して酒蔵を開け、蔵の中の酒を飲みほしてしまいます。もちろんみどころは、「どうやって酒を飲むのか」。足を使って盃を持ち替えるなど、細部に注目してください。


 

主人の留守の間に家来がつまみ食いをやらかす話は、狂言によくあるパターンですね。お金持ちの食べるものをいつもうらやましく思っている庶民の願望が、狂言には色濃く表れているのでしょう。


主人に見つかって「やるまいぞ、やるまいぞ!」(逃がすものか!)と追いかけられますが、太郎冠者や次郎冠者は逃げ回ることまで楽しんでいるかのよう。庶民の逞しさ、時代のおおらかさがうかがわれます。


この作品は歴代の踊りの名手が舞台を務めてきました。縛られて不自由な恰好のまま息を合わせて踊り、小道具の棒や扇や盃を見事に扱うのは至難の業。そのうえ、観客には本当に酔っぱらって楽しく遊んでいるようにしか見えなければ成功とはいえません。一見漫才かコントのようで誰もが楽しめる作品ですが、実は能や狂言、日本舞踊などに対する知見を積めば積むほど見どころが増え、味わいが深くなる演目でもあります。


もう一つの魅力がお囃子の響きでしょう。能舞台の鏡板を模して松を描いた背景の奥から、三味線や唄、鳴り物(鼓、太鼓、笛)がひな壇に並んで登場すると、舞台は一気に華やかに! とりわけ能・狂言にはない三味線の音が酒宴に賑わいを与え、舞台の楽しさを一層引き立ててくれます。


今回は平成27年1月、松竹座での四代目中村鴈治郎襲名披露公演の舞台。棒で縛られる次郎冠者に片岡愛之助、後ろ手に縛られる太郎冠者は中村壱太郎。TV初放送です。