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シネマ・イズ・ビューティフル

台湾発、青春サスペンスの傑作『共犯』

10代の若者が抱える憂鬱や孤独は、どこの国でも変わらない。触れただけで傷つくほどに繊細で、それゆえに美しくもある。台湾の映画監督、チャン・ロンジーによる映画『共犯』を語るにあたって、「台湾青春映画の新たな傑作」という触れ込みは、たしかに正しい。だが、「台湾映画」という冠をつけるまでもなく、本作は傑作と呼んで差し支えない出来栄えだ。


家族はつらいよこの物語は、それぞれ異なるスクールカーストに位置する3人の少年の交流をもとに展開していく。友だちのいないホアン、秀才のリン、不良のイエは、同じ高校には通っているものの、口を聞いたこともなかった。しかし、彼らは同級生の女生徒シャーが路地で死んでいるところを偶然発見したことで知り合い、事件の真相を暴くために一緒に行動するようになる。シャーの死は自殺なのか。なぜ死ななければならなかったのか。3人はFacebookやInstagramを駆使して調査を進めていき、シャーが同級生からいじめられていたという疑惑に行き当たる。



やがて、思いもかけない方向に動き出すストーリー。中盤以降の怒涛の展開には、目が離せない。特に本作が秀逸なのは、サスペンスの展開を少年少女たちの心理となぞって進めていくところ。10代の若者の繊細な心理が、謎解きと一緒に鮮やかに描かれていく様子は見事。衝撃のラストを知った後は、最初からもう一度見返したくなってしまう。あの時の行動は、そういう意味があったのか!と。



ネタバレになるので詳しくは書けないものの、人間の心の闇の描き方にはデビット・フィンチャーの『セブン』に近いものを感じたし、その一方で岩井俊二の映画のような儚い透明感にも満ちている。ある意味では贅沢な作品というべきか。さらに、シャー役のヤオ・アイニンは写真家の川島小鳥が写真集『明星』で撮影した女優だという点に注目する人も多いのでは。衛星劇場で放送されるこの機会に、ぜひチェックしておきたい作品だ。